システム手帳のおすすめブランドとバインダーまとめ【2018最新版】

システム手帳のおすすめブランドと、バインダーをまとめておく。

各ブランドの歴史については、以下の記事も参考に。

アシュフォード(ASHFORD)

アシュフォードは1986年に日本でシステム手帳を発売した、国内最古のメーカーのひとつ。

文具店や書店のシステム手帳コーナーでもよく見かけるので、営業に力を入れているのかな。

システム手帳ユーザーはスマホ普及前と比べると随分と減ったが、それでも意欲的に新製品を開発しているメーカーだ。

あらゆるものが薄く軽くなるなか、リング径が20mm以上の厚いバインダーも愚直に作り続けており、ヘビーユーザーにはたのもしい。

アシュフォードの特長は、クラシカルなデザインのバインダーを得意としているところ。30年前の製品を復刻したプレスコットなどはその象徴だ。

アシュフォードからオススメのバインダーとしては、

  • 低価格だがけっこういい感じの「ディープ」
  • 最高級シリーズにふさわしい美しい革の「ルガード」
  • 30年前のものづくりがよみがえった「プレスコット」

を上げてみよう。

低価格だがあなどれない「ディープ」

アシュフォードでオススメできるバインダーは、価格が低いものだと「ディープ」シリーズだ。

▲ディープ。このシリーズの前身である「ローファー」のリング径30mmのモデルをつかっているが、いい。

なにがいいかというと、

  • 柔らかな水牛の革をつかっており、開きがよい。
  • 財布状の背面ポケットで収納力が高いが、厚ぼったくはない。
  • 艶があって、手になじむ革なのに、値段がおさえめ。

といったところ。

ディープはローファーの特長を受け継ぎつつ、裏側にファスナーポケットを増設、ペンホルダーが可動式に、と改良を加えた。値段もローファーからわずかに安くなった。

他社も含め、1万円台前半のバインダーは低コスト感がただよう。正直あまりおすすめできない。塗料を厚塗りしているためか、革というよりはプラスチック感が強い。硬くて開きも悪いものが多い。

その中で、ディープは例外的に、革の質感がしっかりと楽しめる、コスパが高いシステム手帳だ。

宝石のように美しい革のエイジングと手触り ルガード

▲アシュフォード公式より

ルガードはバイブルサイズ25mmで3万円超えと高額なバインダー。

作りがよく、革が美しく、文具屋に行くたびにルガードに触ってウットリしている。

牛革のショルダー部分を、ベルギーで植物タンニンで鞣し、水染めしたという革。赤、黒、紺などから色が選べるが、ルガードなら赤が美しい。

革そのものは上質でも、厚すぎたりゴツすぎたりで硬くなり、開きが悪いバインダーもあるが、ルガードは縫製や漉きで工夫しているのか、使い勝手も良い。そのあたりはさすが長年システム手帳を作ってきたアシュフォードだけのことはある。

また、店頭のサンプルには是非注目してみよう。多くの人の手に触れるためか、エイジングが速く進むようで、経年変化がわかりやすい。

店頭のサンプルのルガードは、新品の美しさに、磨いたガラスのような質感が加わり、とてもいい雰囲気となっている。

弱点としては、コバの塗りが割れてくること。プレスコットのような処理をしてくれたら完璧だったんだけど。ここだけは残念だ。

なつかしくも新鮮な「プレスコット」

▲アシュフォード公式より。

アシュフォードでもうひとつ、気になるバインダーが「プレスコット」だ。これも、文具屋に行くたびに手にとってしまう。

1980年代の製品を復刻したという。ただ単に形を復刻しただけでなく、革のなめしや着色、コバの処理も当時のものをできる限り復刻したというこだわりよう。

革はフルタンニンレザーで、経年変化がはやい。染色が、通常のドラム染色ではなく岡染め方式なので、表面にしか色が付かず、使いこめば色落ちしていい味わいとなる。

店頭サンプルでもいい感じに色落ちしており、味わい深く、これは自分の手元に置いて革を育てたいな、と思ってしまう。

プレスコットが他のバインダーと大きく異なる点が、本のようなスクエアバックの背表紙だ。

▲アシュフォード公式より。

上がプレスコット。システム手帳は下のような丸い背表紙が一般的で、プレスコットのようなスクエアバックは珍しい。というか他に見たことがない。

▲アシュフォード公式より。

180度、べったりと開くのがスクエアバックの特長だ。

店頭で実際にプレスコットを手にしてみると、今風のしっとりしたいかにも高級そうな革ではない。わざとらしい発色の、なんだか古くさい雰囲気の革だ。

昔の作り方で作ったので、古くさくて当然なのだが、正直、3万円超えという価格に見合った雰囲気は感じない。同じ価格帯のルガードのような、輝く宝石のようなオーラはない。

しかし、いじくり回しているうちに、これはなんだかいいものかも、ということに気づく。

まず注目したいのはコバの仕上げ。

▲アシュフォード公式より。

上がプレスコット。下は、近年のシステム手帳によく見られる、粘度の高いコバ液を盛った仕上げで、一見きれいだが、つかっていくうちに割れて、はがれる。写真でもすでに、割れている。

プレスコットのコバ処理は凝っていて、粘度の低いコバ液を浸透させ、繰り返し磨いて仕上げている。手にしてみるとわかるが、これは割れたりはがれたりはしないだろう。

わざとらしい発色で、高級感を感じない革も、上記のように30年前の手法で作っているから。

▲アシュフォード公式より。

前出のように、この革は経年変化が早いので、つかいこむとこの写真のように色落ちしてくる。こすれるところや可動部から変化しているのがわかるだろうか。

プレスコットの造型は、30年前に日本に上陸したファイロファックスのウィンチェスターの影響を受けているのだろう。ホック止めのベルト、長辺センターに位置したペンホルダーなどに、それがうかがえる。

ヤフオクでビンテージのファイロファックスを入手しようかと考えているが、新品のプレスコットを手に入れて使い込み、自分の手で経年変化を楽しむのもいいかもしれない。

ノックス(knox)

ノックスは、1985年にシステム手帳を発売した、老舗のメーカーのひとつ。

リフィルやアクセサリーも含め、総合的なシステム手帳の世界を提案し、国内の市場を支えてきたのはアシュフォード、ノックス、バインデックスだった。

アシュフォードは前述のように、クラシカルな分厚いジャケット(バインダー)を作り続けているが、ノックスブレインはスマホ普及を背景に、薄くて軽いバインダーの開発に舵を切っているようだ。

アグレッシブで前衛的な製品も多い。

えー、これホントに製品化したの〜!?

というチャレンジングなバインダーもある。だからこそルフトのような野心作も生まれるのだろう。

ノックスからは、以下の3つのバインダーを紹介したい。

  • 究極に薄い「プロッター」
  • 豚革をコードバンのように加工した「プレジオ」

究極に薄いバインダー「プロッター」

プロッターは究極に薄いシステム手帳。KNOXブランドではなく、新たな「プロッター」ブランドで2017年から展開しているが、販売元が同じデザインフィルであること、もともとKNOXが展開していた「ルフト」という製品を発展させたシステム手帳なので、ここではKNOXに分類しておく。

ルフトは実際に買って使ってるが、薄くて軽く、綴じ手帳に近い感覚だ。

システム手帳って、ユーザーがリフィルを書いて育てていくもの。書いて書いて、有用なリフィルがたまるにつれて便利で手放せないものになっていく。

それだけに、最初はつらい。分厚いシステム手帳を買って、意気込んであれこれとリフィルを選んでセットしても、実はなんの役にもたたない。全部白紙だから。

▲30mmリングのローファーと、11mmリングのルフト。

でかくて重くて、白紙のたばであるシステム手帳。役に立たないので持ち歩かない。

持ち歩かないから書く機会もない。

そのうちあきてやめてしまう。……というユーザーを、何人か見てきた。もったいない!

▲ルフトの構造。一枚革でポケットはない。コバの処理も必要最小限だ。

ルフト/プロッターは、手帳をつかう上で最も重要な、「持ち歩く」ことが簡単だ。レフト式のウィークリーと、方眼メモあたりを適当にセットして、綴じ手帳の気分でつかえばいい。とにかく持ち歩いて、書いて、見返す。これを習慣にすることで、自己管理能力がアップするし、過去の自分の思考から気づきを得る、ということが増えくる。

そこまでいけば、手帳は相棒だ。半年もたったらリフィルがあふれてくるから、数百円の保管用バインダーを買って、過去のリフィルを整理しよう。持ち歩きたいリフィルが増えて、ルフト/プロッターでは対応できなくなったら、16-20mm クラスのちょっといいバインダーを買う、というのがオススメのシステム手帳入門コースだ。

ルフトの弱点が、リングの品質が悪いこと。コストダウンのためか「WORLD WIDE」というきいたことのないブランドのリングが使われていて、入手したバインダーは指をケガするレベルだったのでヤスリとペンチで修正した。

店頭のルフトを確認しても、大半がリングの噛み合わせに問題があるレベル。やはりリングはクラウゼがいい。

プロッターはクラウゼリングなので、今から入手するならルフトでなくプロッターをおすすめしたい。

コードバンのように仕上げた豚革 こだわりのスナップボタン 「プレジオ」

店頭でさわって、気に入ってしまって入手したバインダーが「プレジオ」だ。

なんと、豚革をつかっている。

メーカーでは「コードバンと同様なアプローチで仕上げた新開発の革」と述べている。

さわった感じ、確かに牛や馬とはちがう。重厚さはなく、軽やかではあるが、張りがある。

フルベジタブルタンニンなめしとのことで、エイジングも面白いはず。使いこむと、どのように変化していくのか楽しみ。

日本製らしく縫製が丁寧で、作りがよく、端正な雰囲気なのが気に入った。ベルトがボタン留めなのも個人的に好み。このボタンもこだわったものだそうで、確かに留め外しの感触に節度があり、しっとりしているというか。

リングは16mm。この大きさのバインダーは大活躍する。

ポケットもペンホルダーも無いシンプルな一枚革のバインダー イルブッテーロ

▲ノックス公式より

ノックスには以前、ルッソというバインダーがあって、理想的なバインダーではないかと気付き、入手しようとしたらすでに絶版で、探し回ってやっと一冊確保した、ということがあった。

ルッソは、ルフト/プロッターのような、一枚革のシンプルなバインダー。ポケットもペンホルダーも無い。その思い切った仕様が市場に受けず、単名に終わったのだろうか。

しかし2018年10月。ノックスは再び、この路線のバインダーを世に問うた。それがイルブッテーロ。

ルッソ、バインダー金具まわりの構造のせいか、若干開きが悪い。愛用者としてはそこもまたこのバインダーの味と思っているんだけども。

イルブッテーロは2枚の革をうまく組み合わせることで、開きを良くし、金具周辺もうまく処理している。前出のリンク先に構造がよくわかる写真があって、なるほどなー、と。

個人的に惜しいのは、バイブルサイズはリング径が16ミリであること。20ミリだったら、ルッソと机上に並べておきたいんだが。

ファイロファックス(fILOFAX)

ファイロファックスは1921年設立の、システム手帳をこの世に生みだしたメーカーだ。

日本のメーカーのように、革や縫製にこだわった製品づくりではない。実用的な文房具という位置づけか。

▲オリジナル。イギリス製だそうで。

1921年世界で初めてシステム手帳を作り出した、ファイロファックス社の当時の製法をモチーフに、厚手の牛皮を一枚仕立てでデザインしております。

▲ファイロファックス公式より。

当時の製法をモチーフに、としているが、ウィンチェスターのような雰囲気は皆無だ。牛革をザックリ切ってザッと縫い合わせた、コバの処理もしていない切りっぱなしの実用品。でも、これはこれでいい。

生産が中国にシフトした1990年代後半から2000年代後半あたりまで、日本国内のファイロファックスの値段は品質に比べて明らかに高過ぎた。

樹脂コーティングした安い革なのにいいお値段だった「クロス」とか。

フラッグシップの「イートン」なんて、たしかにいいシステム手帳だけど65,000円もしていた。

そのころの高級ブランドのふりした路線からすると、現在の実用品に徹した製品展開は好感が持てる。正直、まだ少しお高いが、ブランド料ということで。

2021年には100周年記念で、またウィンチェスターが復刻されることに期待したい。

オススメのシステム手帳バインダーの選定基準は?

ということで、オススメのシステム手帳バインダーをまとめてみた。

システム手帳のメーカーは他にもあるが、アシュフォード、ノックス、ファイロファックスを選んだ基準は、

  1. 1980年代(あるいはそれ以前)からシステム手帳を作り続けている老舗である
  2. リフィルやパーツも含めた製品展開をしている
  3. 文具店や書店で製品を手に取りやすい

の3つだ。

実は、バインデックスもこの基準にあてはまるんだけど、正直、近年はバインダーに力を入れていないようで、オススメできるものがない。

リフィルの品質は高いが、廃番も相次いでいてちょっと心配。

黒×金のルフト/プロッターにバインデックスのレフト式ウィークリーをセットすれば、「ほぼ能率手帳ゴールド」が作れたりする。

そんな遊びができるのも、規格が統一されてさまざまなバインダーやリフィルを組み合わせることができるシステム手帳ならでは。

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